dear Meでは、日本に約4万8千人いるといわれている社会的養護が必要な子どもや、貧困等により学習の機会が限られている子どもたちを主な対象に、国内外の芸術家や専門家と協力して、100年後、さらにその先の社会をより面白く、より良く生きやすくするための学びの場を創造してきました。
アート作品を鑑賞しながら、あるいはアーティストの思考を起点に、大人も子どもも想像力を豊かにし、社会で起こっている出来事に思考を巡らせることは、複雑な世界を生き抜くための知となり糧となり得ます。
dear Meでは、子どもたちとアーティスト、そして児童養護や福祉の専門家と築いてきたプログラムを継続するために、みなさまからの支援を募っています。
支援の方法はdear Meのさまざまなプログラムの実施を直接サポートする『寄付』と、子どもたちとアーティストによるグッズや作品の『購入』からお選びいただけます。
モバイルミュージアムでは、dear Meのプロジェクトで子どもたちとアーティストがコラボレーションしたオリジナルのグッズや作品を紹介しています。オリジナルグッズはオンラインで購入いただけるほか、アーティストのKOSUGE1-16制作による持ち運び可能なdear Me モバイルミュージアムとしてさまざまな場所でスタッフによる対面販売を行います。グッズや作品の売り上げはアーティストへ還元されるほか、子どもたちにアートを届けるdear Meのプログラムに活用されます。
グッズや作品は、AITの代官山オフィスで行われる現代アートの教育プログラム MAD やイベントの際に購入可能です。その他のイベントでもdear Meモバイルミュージアムは出張予定ですので、最新情報はNEWSをご確認ください。
国内の美術館のエデュケーターの協力のもと、さまざまな環境下にある子どもたちに向けた美術鑑賞を実施します。鑑賞に伴走する大人のファシリテーターの育成も行いながら、子どもも大人もお互いが見える「世界」の違いの面白さや多様さを発見できます。
森美術館をはじめ、都内近郊の美術館の展覧会に訪問する鑑賞プログラム
過去のプログラム例:森美術館「宇宙と芸術展:かぐや姫、ダ・ヴィンチ、チームラボ」展(2016)、森美術館「六本木クロッシング2019展:つないでみる」(2019)など
国内で活動する現代アーティストをゲストに招き、さまざまな子どもたちを対象にしたワークショップを開催します。楽しく創作するのみではなく、アーティストが社会を眺める視点を学び、「いま、ここから」世界を広げ、表現や発言することを通して、さまざまな考えや生き方に触れます。
アーティストが実施するオルタナティヴな学びの場に参加する小学生をはじめ、さまざまな環境にある子どもたち同士を結ぶ交流プログラム
過去のプログラム例:イギリスのアーティストによるワークショップ「Translating Cities―街の翻訳」(2017)、KOSUGE1-16による児童養護施設・星美ホームでのワークショップ「どんどこ! 巨大紙相撲」(2018)など
福祉とアートを結ぶ先鋭的なプログラムを実施する海外の団体や美術館からアーティストやキュレーターを招き、子どもたちを対象にワークショップを実施できます。また並行して、そうした活動の理念やその背景にある社会的状況を大人たちが学ぶ講座を開催し、多世代への「学び」を実施します。
ヨーロッパやアジアのアーティスト、福祉とアートを繋げる学びを活動の主体とする団体関係者を招いたワークショップとレクチャー
過去のプログラム例:MADとの連携プログラム:フィフス・シーズン(オランダ)と和田昌宏による「ヘンゼルとグレーテルとおおきなサル」(2018)
AITが2001年から開講する現代アートの学校MADでは、福祉やアートの専門家を招く「フクシとアート」の講座をはじめ、現代アートの歴史や表現に関わるさまざまなレクチャーを実施しています。皆様からの支援の一部がアートを学びたい若者の奨学金に当てられることで、アートの専門的な知識に触れ、アートの仕事に携わる可能性を生み出します。
プログラムが実現する際には、サポートしてくださった皆さんに向けてボランティアやファシリテーター募集のご案内を優先的にお送りします。
プロジェクトに関心のある児童福祉施設や子どもたちの支援団体等のみなさまからも、プログラムの企画・運営に関する相談やご要望を広く受け付けています。
CONTACTよりご連絡ください。
児童養護に携わる専門家からのコメント
社会的養育にdear Meの活動は不可欠
今、子どもたちに必要なことは、自分の「好き」「楽しい」を自由に表現し、解放的に行動することが許される環境・空間・人々の肯定的な関わりです。それはまさにdear Meの活動そのものでしょう。
dear Meが提供する「芸術」の思考や表現を活用した学びのプログラムでは、子どもたちの「選択」を周囲の大人達が肯定的にサポートし、子どもたちの自己肯定感を育み、生き方の幅を広げるサポートを実現しています。特に社会的養育下の子どもたちや保護者・養育者には、こうした「こころ」を解放し、温めるようなサポートが必要です。行政は、これまで衣食住などの物理的支援や相談に応じるという定型的サポートを中心に行ってきました。しかし、これからの児童福祉行政の展開を考えるときに、dear Meの視点とプログラムが必要となるでしょう。
児童福祉行政に身を置いてきた者として、かつ現在児童福祉・社会的養育の研究者として、行政の社会的養育施策にdear Meの活動を採り入れていくことを強く推奨します。