dear Me(ディア ミー)プロジェクトについて

2016年より日本財団の3カ年の助成を受けてスタートした、NPO 法人アーツイニシアティヴトウキョウ [ AIT/ エイト ] による、子どもたちが未来を描きやすい社会づくりを目指す、アートや表現を通じた自由な学びと、未知のものに出合う場づくりを行うプロジェクト。 さまざまなバックグラウンドを持つ子どもたちとユース、大人の伴走者に向けた、美術鑑賞ワークショップや国内外のアーティストによる創作ワークショップを実施するほか、子どもたちを取り巻くさまざまな社会課題や制度、より良い社会をつくるためのヒントについて共に学ぶレクチャーやシンポジウム、イベントを企画。現代アートの多様な表現や対話を通じて、ケアとアートの新しい可能性について考えていきます。

http://dearme.a-i-t.net
アニメーション:ひらのりょうと子どもたち/撮影:折笠貴、横山一郎/編集:藤井康之/ロゴデザイン:KIGI/音楽:江本祐介
NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]について

現代アートとそれに関わる文化や社会について考えるための場作りを目的として、2001年に設立したNPO団体です(2002年法人化)。 個人や企業、財団あるいは行政と連携しながら、現代アートの複雑さや多様さ、驚きや楽しみを伝え、それらの背景にある文化について話し合う場を、さまざまなプログラムを通して創り出しています。

http://www.a-i-t.net

ロゴについて
dear Me Me dearme You

dear Meのロゴは、D-BROSやPASS THE BATON、流Qなど優しさと遊び心溢れるデザインでも知られるKIGI(キギ)さんに依頼しました。リボンのモチーフには、「ひととひとをつなぐ・結ぶ」という意味と、「プレゼント」という2つの意味があります。時に、人は自分が今いる場所で生きにくさや窮屈さを感じる時もあります。でも、それらを生かしポジティヴに自由に表現することで、そうした状況でさえ強みに変えていくこともできる、そしてdear Meの活動に参加することで何かを発見したり、思いもしなかった能力が開花したり、「何かを得ること=プレゼント」につながればという想いが込められています。

KIGI:http://www.ki-gi.com

dear Me のネーミング (AIT)

いろいろな環境にある子どもたちや、そこに寄り添う人々に、自分の想いを大切にして欲しいというメッセージがあります。アートの表現によるさまざまな価値観や出会いを通じて、「私のなかの私」や「あなたとの関係の中の私」を発見し、それを大切にしながらさまざまに変化する「Me」を増やしたい、といったメッセージも含まれています。

dear Meが始まった背景

NPO 法人アーツイニシアティヴトウキョウ [ AIT/ エイト ] はこれまで多くの豊かな思考や想像力、時に鋭い批評性を持つ国内外のアーティストやキュレーターと関わりを持ち、アートの表現を通して今の時代や社会を考える活動をしてきました。2001年から始めた現代アートの教育プログラム「MAD(マッド)=Making Art Different(アートを変えよう、違った角度で見てみよう)」では、美術史だけではなく社会学や宗教学、哲学などの観点から、生きることそのものに直結したアートを模索してきました。また、AITがキュレーターとして関わった、アウトサイダーアートと現代アートのアーティストによる「ミュージアム・オブ・トゥギャザー」展(2017年/スパイラル 主催:日本財団)では、インクルーシブな鑑賞を指向し、アクセス・アート・プログラムを実践する機会を得ました。
こうした活動をするなか、AITのスタッフが個人的なきっかけで参加したボランティア活動を通してさまざまなバックグラウンドをもつ子どもたちとの出会いが重なり、アートと子ども、ケアをつなぐプロジェクトの種となるアイディアが湧いてきました。

dear Meというネーミングには、「私」を大切にするという想いが込められ、また「おや!」「まあ!」など、驚いた時や発見をした時に発する言葉であることにも由来しています。アートで子どもたちやその周りにいる大人たちに何ができるのかは未知数ですが、いろいろな思考に触れたり主体的に表現できる環境をつくり、子どもたちのなかに多くの問いや想像が広がることを第一に考え、dear Meは動いています。
その先にどのような景色が見えるか、子どもたちやアーティストたち、そしてみなさんと一緒に発見していきたいと私たちは考えています。

Staff
  • 堀内 奈穂子 【dear Me ディレクター/AIT キュレーター】
    dear Meプロジェクトメンバー。さまざまな知識を持ち寄った実験的な学びや、アーティストの表現やアートの思考を通して新たな知を創造する場づくりに関心を持つ。児童養護施設でのボランティアを経験し、子どもとアーティストが協働することで生まれる未知なる表現や創造の回路、これからのアート・エデュケーションの可能性について模索している。AITでは、レジデンス・プログラムや展覧会、企業プログラム、教育プログラムの企画に携わる。
  • Photo by Yukiko Koshima
    藤井 理花 【dear Me 企画・制作/AIT プロジェクト・マネジャー】
    dear Meプロジェクトメンバー。個性豊かな子どもや若者が主体的に関わるプログラムをリサーチ中。長期入院の家族と過ごした経験や、子どもや障がいのある人たちとの文化活動に参加したことから、病院や施設、公共の場などでのアートの実践や表現の可能性に関心を持つ。AITでは主に展覧会やイベント、ワークショップのコーディネートや企画を担当。AITが企画協力した「ゴー・ビトゥイーンズ展-こどもを通してみる世界:子どもキャプションプロジェクト」(2014年、主催:森美術館)では、学校プログラムや一般の子ども向けワークショップの運営に携わった。
  • Photo by Annemarijn Vlinder
    清水 美帆 【dear Me広報・企画/アーティスト】
    アーティスト活動に並行しながら、dear Meのスタッフとして運営に携わる。公共の場で専門家と一般の人が一緒に場を共有して個人と社会の関係性を考える空間を作ることに興味を持っている。2017年にSHIBAURA HOUSEが開催した学びのプログラムnl/minatoではコーディネーターを務め、オランダと日本における「LGBT」「ジェンダー」「メディア」 のリサーチを行った。
  • 青木 彬 【dear Meスタッフ/インディペンデント・キュレーター】
    公共劇場で演劇や子ども向けワークショップの企画・制作を経て、2015年よりインディペンデント・キュレーターとして活動。アートプロジェクトやオルタナティヴ・スペースをつくる実践を通し、日常生活でアートの思考や作品がいかに創造的な場を生み出せるかを模索している。「ソーシャリー・エンゲイジド・アート展」(2017、アーツ千代田3331)にはキュラトリアルアシスタントとして関わり、社会性のあるアートを紹介する展覧会の構成を行った。dear Meのスタッフとして運営に関わるほか、AITでは教育プログラムMADの企画にも携わる。
  • 富樫 多紀 【dear Me企画・制作/カルチュアル・プロデューサー】
    シアター・デザインの学びを軸に、英国バービカン・センター、東京大学先端科学技術研究センターと日本財団主催「異才発掘プロジェクトROCKET」、ミューザ川崎シンフォニーホール、日本フィルハーモニア管弦楽団などで、芸術と教育の関わりを経験してきた。出会いを通して、さまざまな領域で人が変化していく過程を作ることに関心を持っている。
  • Photo by Uzuki Saito
    和田 真文 【dear Me 企画・制作/コーディネーター】
    dear Meプロジェクトメンバー。ウェブマガジン編集などを経て、「さいたまトリエンナーレ2016」アシスタントディレクター、その他展覧会でマネジメントなどを担当。2019年〜2022年3月まで、品川区立障害児者総合支援施設「ぐるっぽ」にて、コミュニティ・アートマネージャーとしてワークショップや展覧会の企画・運営、広報。「なんだかよくわからない、けど、とてつもなくおもしろい」表現の数々に触れ、魅了される。認知症者とのダンスワークショップや勉強会を通じ身体コミュニケーションの可能性を探る<とつとつダンス>制作スタッフでもある。2022年からAITに在籍。

これまでの主な協働団体

●助成・協賛|日本財団(2016-2018年)、アーツカウンシル東京(2016年)、オランダ王国大使館(2018年)、エーザイ株式会社(2019年)、資生堂カメリアファンド(2020年〜)、SBI新生銀行グループ(2021年〜)、キリン福祉財団(2021年)、ローランド株式会社(2021年〜)、文化庁(2022年〜)、バーバリー・ジャパン(2023年〜)

●これまでの協働団体(抜粋)|ミュージアム・オブ・マインド(オランダ)、アトリエ・エー、NPO法人インターナショナルフォスターケアアライアンス(IFCA)、社会福祉法人浦河べてるの家、社会福祉法人二葉保育園 二葉むさしが丘学園、社会福祉法人扶助者聖母会星美ホーム、星の子キッズ、NPO法人日向ぼっこ、認定NPO法人KIDSDOOR、一般社団法人レインボーフォスターケア、森美術館、フィフス・シーズン / ビューティフル・ディストレス(オランダ)、東京国立近代美術館、学校法人角川ドワンゴ学園 N高等学校・S高等学校 ほか