「Unknown Arts & Crafts」ー無銘のアートと工芸 〜イギリスよりアーティストのエヴァ・マスターマン、ジャクソン・スプラーグを迎えて

201703-ait-photo4_l-860x573 Photo by: AIT
AITでは、2月17日(金)19:00より、ロンドンを活動拠点とする2人のアーティスト、エヴァ・マスターマンとジャクソン・スプラーグによるアーティスト・トークと、AIT副ディレクターのロジャー・マクドナルドを交えたディスカッション・イベントを代官山AITルームにて行います。
現在、エヴァ・マスターマンとジャクソン・スプラーグは、文化庁の助成により、AITとロンドンのカムデン・アーツ・センターとの恊働によるレジデンス・プログラムにて3月まで日本に滞在しています。

 

「Unknown Arts & Crafts ー 無銘のアートと工芸」

Left: Jackson Sprague, My hand on your eye, 2017, Plywood, acrylic, Coutesy of Breese Little Right: Eva Masterman, Used, 2016, Ceramic, Steel, Kiln Props, trolley

Left: Jackson Sprague, My hand on your eye, 2017, Plywood, acrylic, Coutesy of Breese Little
Right: Eva Masterman, Used, 2016, Ceramic, Steel, Kiln Props, trolley

AITでは、2月17日(金)19:00より、ロンドンを活動拠点とする2人のアーティスト、エヴァ・マスターマンとジャクソン・スプラーグによるアーティスト・トークと、AIT副ディレクターのロジャー・マクドナルドを交えたディスカッション・イベントを代官山AITルームにて行います。
現在、エヴァ・マスターマンとジャクソン・スプラーグは、文化庁の助成により、AITとロンドンのカムデン・アーツ・センターとの恊働によるレジデンス・プログラムにて3月まで日本に滞在しています。

カムデン・アーツ・センターとの継続的な恊働で二回目を迎える本レジデンス・プログラムでは、主に現代アートの実践と陶芸の関係性や表現に着目しています。さまざまな議論と意見の交換を通して、今日見られるアートが、多様な表現領域の取り組みを受け入れながらどのように拡張しているのかを考察します。こうしたことに着目する背景には、近年、工芸の分野に改めて注目が集まっていることや、人間の手で作られたものや土、粘土など古来からの素材がもたらす影響と、アートにおける言論から外されてきた歴史的な参照が未だ多く残されていることが挙げられます。

本イベントのタイトル「Unknown Arts & Crafts」は、日本で民藝運動をおこした柳宗悦と、1972年に出版された柳の著作『The Unknown Craftsman』(無銘の工芸家)に由来しています。柳は、イギリスの陶芸家バーナード・リーチと半世紀にも渡って友情を深め、そこでは魅力的な交流が行われました。同じくイギリスでアーツ・アンド・クラフツ運動を主導し、アーティスト・詩人としても活躍したウィリアムス・モリスと評論家ジョン・ラスキンとの間にも、同じように豊かな影響と対話をみることができます。過去に行われたこれらの交流が、今回、カムデン・アーツ・センターと、アートやクラフトに関する恊働的なレジデンス・プログラムを行う契機のひとつとなっています。
当日は、スライドを交えながら、ふたりのこれまでの作品と活動を紹介します。その後、AITの副ディレクターを務めるロジャー・マクドナルドが加わり、アートとクラフトやアートと用の美について、共に生活すること、社会的な機能、手から造られるもの、実在することや時間についてのアイディア、過去の参照項との関連性など、幅広い観点からディスカッションを行います。

また、アートをあらゆる側面からみてみようというこれらの視点は、AITが10年以上に渡って行う現代アートの学校、MAD(Making Art Different)の新しいプログラムのテーマである「Holistic=ホリスティック(全体性、健やかに生きること、ものごとを癒すこと)」にも大きく繋がっています。

みなさんのお越しをお待ちしています。

プロフィール
  • エヴァ・マスターマン
    領域横断的なワークショップやセミナー、執筆を通して、素材とプロセスを深く調査し、作品に投影している。彼女の制作と、視覚芸術の境界および先入観に焦点を当てたアプローチは、多くの学問領域をまたぐ「拡張領域」の中心にありながら、素材の特性を捉えた芸術彫刻でもある自身の彫刻的領域にまつわる批評的な言語を生みだしている。
  • ジャクソン・スプラーグ
    スプラーグの作品は、美学と機能性、彫刻と絵画、あるいは永続的なものと短命的なものの緊張関係を扱っている。それは時として、家の間仕切りが絵画になり、壁に掛けられた絵画が同時に石膏で象られた彫刻であったり、色が塗られたボール紙が陶芸作品であるといった方法で表現される。物理的かつ心理的な関係性のこうした曖昧性が、スプラーグの表現の特徴である。