Simposium & Exhibition|みんなで未来の学びを考える「dear Me / ディアミー フェス!」

「dear Meフェス!」チラシイメージ部分、drawing by ひらのりょう (FOGHORN)
「dear Meフェス!」チラシイメージ部分、drawing by ひらのりょう (FOGHORN)

AITでは、アートとフクシの議論を多様な人と深めることを目的として、アートの思考と創造的なフクシを交差させ、子どもたち、そしてみんなで未来の学びの場を想像する「dear Meフェス!」を代官山のヒルサイドプラザにて、2018年9月22日(土)に開催します。

AITは、2016年より「dear Me」プロジェクト(共催:日本財団)を開始し、アートの思考や表現を軸にさまざまな環境にある子どもたちや若者、アーティスト、大人をつなぐプログラムを創出してきました。AITが開講する現代アートの学校MAD(Making Art Different=アートを変えよう、違った角度で見てみよう)や、国内外からのアーティストやキュレーターとの関係性から生まれたネットワークを活用し、子どもたちとアーティストをつなぐワークショップや作品制作、美術館訪問、学びの回路をつくってきました。これまでの活動の紹介と、アートとフクシの議論を多様な人と深める目的として、アートの思考と創造的なフクシを交差させ、子どもたち、そして未来の学びの場をみんなで想像する「dear Meフェス!」を開催します。

20世紀の美術の歴史を振り返ると、さまざまな人々と「より良く生きる」ための試みが、特にアーティストたちによる実験的な生活の場づくりや社会変革を通して実践されてきました。近年、美術館やアートスペースにおいても、多様な人々に向けた鑑賞プログラムや、医療や福祉の視点を取り入れた展覧会や取り組みも増えています。そうした中、現在において、アートとフクシの協働とはどのような意味を持つのでしょうか。また、そこからはどのような知識を生み出し、新たな経験を育むことできるのでしょうか。

当日は、アーティストや子どもたちが制作した作品やグッズ、これまで行ったワークショップの記録などを紹介する「展示と屋台」のコーナー、子どもたちと身近な疑問について考察する「子どもといっしょにてつがくセッション」、アーティストや美術館のキュレーター、福祉の専門家を招いた「シンポジウム」を通して、アートと子ども、フクシの心地良い場を一緒に想像します。

 


プロジェクト紹介展示と屋台のコーナー 13:00-17:30

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川村亘平斎とAFRA、二葉むさしが丘学園の子どもたちの影絵パフォーマンス「二葉天狗とおおぐい海獣」2018年 Photo by Yukiko Koshima

これまでdear Meで実施したワークショップの記録やインタビュー映像、また、アーティストと子どものワークショップから生まれた作品やグッズなどを紹介します。また、屋台では、これまで繋がりのあるアーティストやデザイナーのグッズもご紹介します。

[展示・記録映像] 参加アーティスト:占部 史人、KOSUGE1-16、川村亘平斎とAFRA、エヴァ・マスターマンとジャクソン・スプラーグ、フィフス・シーズンと和田 昌宏、大曽根 朝美、田村 友一郎(Special Project)
[紹介映像] ひらのりょうと子どもたち
[デザインWS協力] N&R Foldings、會本 久美子、伊藤 史子ほか

[dear Me オリジナルグッズ] ピーター・マクドナルド × Abake、ひらのりょう(FOGHORN)、前田 ひさえ ※dear Meオリジナルグッズの売上の一部は、今後の子どもたちへのアートを届ける活動に充てられます。
[グッズ販売]  川村亘平斎、ひらのりょう(FOGHORN)、前田 ひさえ、KIGI 、會本 久美子 


越境するアートとフクシのシンポジウム
13:30-16:00(定員:100名)*要予約

アートとフクシの考えを取り入れながら創造的な実践を行うキュレーターやアーティスト、ソーシャルワーカー、自立支援を行う専門家を招き、活動の紹介や協働の可能性、難しさ、意義を探ります。

[スピーカー] 今井 朋 (アーツ前橋 学芸員)、高田 大志(浦河ひがし町診療所副所長 / ソーシャルワーカー)、高橋 亜美(アフターケア相談所ゆずりは所長)、土谷 享(美術家ユニット KOSUGE1-16)

[モデレーター] 堀内 奈穂子(AIT)
シンポジウムは事前予約が必要です。こちらの予約フォームよりご登録ください。


子どもといっしょにてつがくセッション
16:00-17:00(対象:小学生〜中学生 定員:20名)

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Courtesy of Tomomi Ozone

子どもたちや参加者が、身の回りの疑問を持ち寄りながら、哲学の考えを頼りに気軽に緩やかに話し合う場です。 ー ともだちってなあに? しあわせってどういうこと? どうして勉強しなくちゃいけないの? 昨日のわたしと今日のわたしはおなじ? ふだんギモンに思わないことにハテナをつけて考えてみることを「てつがくする」といいます。この会ではみんなが見つけた日常のハテナを出しあって、頭をぐるぐるさせながら、いっしょに楽しく「てつがく」してみましょう!

[コーディネーター] 山森 裕毅(大阪大学COデザイン・センター特任講師) ※本セッションでは、アーティストの大曽根 朝美による、触れたり座ったりできるソフト・スカルプチャーを体験しながら語らいます。

予約不要/開始10分前に、会場内の「てつがくセッション」コーナーにお越し下さい。(人数が定員を超えた場合は先着順とさせていただきます)

参加型のミニ・ワークショップ

当日、特設スペースで子どもも大人も一緒に気軽に体験できるイベントやワークショップです(先着順)*お申し込みは不要です。一部、数量や参加できるお時間に限りがありますので、ご参加できない場合がございます、予めご了承ください。



自由に合成して、動画を作ろう! 13:00-16:00
企画:代官山ティーンズ・クリエイティブ

グリーンバック(撮影用の緑の背景布)を使い、 「クロマキー合成」という 映像の一部を透明にして、そこに別の素材を合成する映像技法で遊んでみましょう!自分のスマホを使ってユニークな合成写真を撮ったり、iPadで短い動画を撮影したり、遊び方は自由です。 みんなの創造力で、現実ではありえない世界を合成し、一緒に創りましょう!

小さい魔法 〜ソーマトロープづくりを体験してみよう!〜 13:00-17:30
企画:會本 久美子(イラストレーター)

指先で糸をつまんで素早く回すと絵が動く「ソーマトロープ」は、19世紀のイギリスで発明された、映画やアニメなどの原点になった、残像現象の仕組みを使ったとてもシンプルな紙のおもちゃ。丸いカードの裏と表に、好きな絵や文字を描いて、オリジナルの「ソーマトロープ」をつくって遊びましょう!メッセージカードとして、プレゼントにも。

ダンボールでポリゴンのペンギンを完成させよう! 13:00-17:30
協力:N&R FOLDINGS

“折る”ことをテーマにしたN&R FOLDINGSデザインのメタル折り紙「POLIGON(ポリゴン)」の仕組みを生かした、ダンボール製の折り紙ペンギンたちが会場にやってくる!好きなように色をつけたり、トサカや模様を色紙でつくったり、みんなで一緒に飾り付けて、オリジナルペンギンをつくってみましょう。

みんなで踊ろう!子どもDJ 体験  13:00-13:30 / 17:00-17:30
協力:マイケル J フォクス

本格的な音響機材(CDJ)を使って、音を繋いだり、スクラッチしたり、みんなと踊る音楽をつくります。DJは未体験でも気軽に参加できます。

会場で聴きたい&みんなに聴いて欲しい音楽CD / 踊ってみたい CD があれば、持って来てね!


お手製ドリンクとフードメニュー

これまでのプロジェクトで開催した子どもたちとのワークショップで恊働した、自家製フルーツビネガーや軽食を提供するあざみ野の「Cafe SNUGGERY」さん、そして、普段は小平の地域を拠点に活動する「歩(あゆみ)」さんのハンドメイドクッキーも。

 みなさまのお越しを心よりお待ちしています!

 

 

スピーカー、コーディネーター
  • 今井 朋 (アーツ前橋 学芸員)
    群馬県のアーツ前橋にて、2016年に展覧会『表現の森 協働としてのアート』を企画し、前橋市内にある福祉施設や団体とアーティストが協働する5つのプログラムを紹介した。今後、同展は長期的なプロジェクトとして、アートが福祉や教育、医療の現場に入っていくことで、どのような化学変化が起こりうるのかを考察する。
  • 高田 大志(浦河ひがし町診療所副所長 / ソーシャルワーカー)
    地域に根差した精神科クリックとして、2014年に北海道浦河町に開院。精神障がい等をかかえた当事者の地域活動拠点である社会福祉法人浦河べてるの家と連携しながら、誰もがともに表現できる場づくりを行う。院内にアール・ブリュットの作品展示を行なったり、札幌国際芸術祭2017では、障がいのある人々を中心に結成された即興演奏グループのライブを企画。積極的にアートとの連携を行なう。
  • 高橋 亜美(アフターケア相談所ゆずりは所長)
    自立援助ホームのスタッフを経て、2011年よりアフターケア相談所ゆずりはの所長に就任。社会的養護のもとを巣立った人たちの、その後の人生をサポートする目的として、生活や就労、就学などの相談が行える場づくりを行う。同スペースにある「ゆずりは工房」では、武蔵野エリアの農家から野菜や果物を譲り受けてジャムを作り、瓶詰めなどの作業を通して、利用者の人々の就労支援に繋げている。
  • 土谷 享(美術家ユニット KOSUGE1-16)
    土谷享と車田智志乃による美術家ユニット(2001年-)。アートが身近な場所で生活を豊かにしていく存在となることを目的に、参加型の作品を通して、参加者同士あるいは作品と参加者の間に「もちつもたれつ」という関係をつくりだす活動を行っている。2018年には、dear Meプロジェクトのワークショップとして、赤羽の児童養護施設にて、「どんどこ!巨大紙相撲」を子どもたちと制作した。
  • 山森 裕毅(大阪大学COデザイン・センター特任講師)
    哲学者・記号論研究者。都市の路上に愛着を感じながら、人や物事が移り変わり変化する仕組みに関心を持つ。浦河ベてるの家の東京拠点「ベてぶくろ」にて定期的に哲学カフェを開催し、色々な背景を持つ人々が集う場づくりをしている。