NPO 法人アーツイニシアティヴトウキョウ [ AIT/ エイト ] はこれまで多くの豊かな思考や想像力、時に鋭い批評性を持つ国内外のアーティストやキュレーターと関わりを持ち、アートの表現を通して今の時代や社会を考える活動をしてきました。2001年から始めた現代アートの教育プログラム「MAD(マッド)=Making Art Different(アートを変えよう、違った角度で見てみよう)」では、美術史だけではなく社会学や宗教学、福祉などの観点から、生きることそのものに直結したアートを受講生と一緒に模索してきました。また、AITがキュレーターとして関わった、アウトサイダーアートと現代アートのアーティストによる「ミュージアム・オブ・トゥギャザー」展(2017年/スパイラル 主催:日本財団)では、インクルーシブな鑑賞を指向し、アクセス・アート・プログラムを実践する機会を得ました。
こうした活動をするなか、AITのスタッフが個人的なきっかけで参加したボランティア活動を通して児童入所施設にいる子どもたち、入院など隔離された空間で暮らしている子どもたちや外国にルーツのある子どもたちとの出会いが重なり、アートと子ども、福祉をつなぐプロジェクトの種となるアイディアが湧いてきました。
dear Meというネーミングには、「私」を大切にするという想いが込められ、また「おや!」「まあ!」など、驚いた時や発見をした時に発する言葉であることにも由来しています。アートで子どもたちやその周りにいる大人たちに何ができるのかは未知数ですが、いろいろな思考に触れたり主体的に表現できる環境をつくり、子どもたちのなかに多くの問いや想像が広がることを第一に考え、dear Meは動いています。
その先にどのような景色が見えるか、子どもたちやアーティストたち、そしてみなさんと一緒に発見していきたいと私たちは考えています。
2016年より日本財団の3カ年の助成を受けてスタートした、NPO 法人アーツイニシアティヴトウキョウ [ AIT/ エイト ] による、すべての子どもが夢や希望を持てる社会づくりを目指す、アートや表現を通じた自由な学びと、未知のものに出合う場づくりを行うプロジェクト。 児童入所施設や里親家庭、不登校児ほか、さまざまな環境下にある子どもと若者、大人の伴走者に向けた、鑑賞ワークショップや国内外のアーティストによるワークショップを実施するほか、子どもを取り巻くさまざまな社会課題や制度、より良い社会をつくるためのヒントについて共に学ぶレクチャーやシンポジウム、イベントを企画。現代アートの多様な表現や対話を通じて、子どもと福祉とアートの新しい可能性について考えていきます。
http://dearme.a-i-t.net現代アートとそれに関わる文化や社会について考えるための場作りを目的として、2001年に設立したNPO団体です(2002年法人化)。 個人や企業、財団あるいは行政と連携しながら、現代アートの複雑さや多様さ、驚きや楽しみを伝え、それらの背景にある文化について話し合う場を、さまざまなプログラムを通して創り出しています。
http://www.a-i-t.netdear Meのロゴは、D-BROSやPASS THE BATON、流Qなど優しさと遊び心溢れるデザインでも知られるKIGI(キギ)さんに依頼しました。リボンのモチーフには、「ひととひとをつなぐ・結ぶ」という意味と、「プレゼント」という2つの意味があります。時に、人は自分が今いる場所で生きにくさや窮屈さを感じる時もあります。でも、それらを生かしポジティヴに自由に表現することで、そうした状況でさえ強みに変えていくこともできる、そしてdear Meの活動に参加することで何かを発見したり、思いもしなかった能力が開花したり、「何かを得ること=プレゼント」につながればという想いが込められています。
KIGI:http://www.ki-gi.comいろいろな環境にある子どもたちや、そこに寄り添う人々に、自分の想いを大切にして欲しいというメッセージがあります。アートの表現によるさまざまな価値観や出会いを通じて、「私のなかの私」や「あなたとの関係の中の私」を発見し、それを大切にしながらさまざまに変化する「Me」を増やしたい、といったメッセージも含まれています。
二葉むさしが丘学園(社会福祉法人二葉保育園 児童養護施設) 、星美ホーム(社会福祉法人扶助者聖母会)、森美術館、IFCA(インターナショナル・フォスターケア・アライアンス)、フィフス・シーズン、ビューティフル・ディストレス