アムステルダム郊外の広大な森の中にある精神科医療施設の敷地内でアーティスト・イン・レジデンスを実施するフィフス・シーズンによるレクチャーを実施します。ワークショップ(9/1開催)を前に、ディレクターのエスター・フォセン氏とウィルコ・タウネブライヤー氏が活動内容と背景にある理念について話します。
実践①森の中の柔らかな協働:精神科医療施設とアートの関わり
子どもとフクシとアートのラボ(4-9月)の8回のレクチャーで学んだ知識やつながりのヒントを元に、実際に子どもたちに向けたワークショップ(9/1開催予定)に参画し、ファシリテーターとしての視点を体験します。ワークショップは、海外で福祉とアートを結ぶ先駆的な活動をするフィフス・シーズン(Fifth Season)より、ディレクターのエスター・フォセンさんと精神科医ウィルコ・タウネブライヤーさんを招き行います。
フィフス・シーズンは、アムステルダム郊外の広大な森の中にある精神科医療施設の敷地内でアーティスト・イン・レジデンスを実施し、アーティストと患者の人々の対話やリサーチから作品制作や学びに結びつく活動や医療に関心を持つ学生と学びのプログラムを実施しています。
当日は、両氏のレクチャーを通して精神科医療施設でアートの活動を行う意味や具体的な取り組みについてお聞きし、後半は、9月1日のワークショップに向けての意見交換や、受講生の具体的な役割分担などについて話し合います。レクチャーは英語で行いますが、AITスタッフも通訳のサポートを行います。
子どもとフクシとアートのラボ(4-9月)
アートと子どもと福祉を取り巻く新しい可能性について考えるコースです。レクチャーと実践を通し、さまざまな環境下にある子どもや若者が主体的に関わる場づくりや新しいアート・エデュケーションの可能性を考えます。AITが2016年に立ち上げたアーティストと子どもが協働するプロジェクト「dear Me」を出発点に、ゲスト講師に児童福祉施設の先生やケアワーカー、小説家、アーティスト、研究者などを迎え、フクシとクリエイティヴの現場に対するさまざまな考え方、視点、ひいてはアートの可能性について議論していきます。また、実践では、オランダ王国大使館からの協力を得て、子どもや障害者に向けた先駆的な鑑賞方法やエデュケーションを行う海外の実践者を招き、受講生が子どもとアーティストを繋ぐ企画に取り組みます。 アートを見たい、触れたい、考えたいと希望する誰もがアクセス可能な「場」とは何か。一緒に考え、探していきます。
<特徴>
・福祉とアートをつなぐ活動に触れることができる
・子どもたちや、社会的に弱いとされる立場にある人々を取り囲む環境を創造的に変革する専門家の声が聞ける
・アーティストやキュレーターの活動を通して、新しいアート・エデュケーションの可能性が発見できる
・海外の先駆的な活動を行う実践者との意見交換、ワークショップが体験できる<こんな方にオススメ>
・福祉、社会、アートに関心がある方
・新たなアート・エデュケーション、学びの場を考えたい方
・子どもやアーティストと相互に想像力を刺激する活動に触れたい方
・ケアの在り方や、子どもとの寄り添い方のヒントを考えたい方
実践① – 森の中の柔らかな協働:精神科医療施設とアートの関わり –
日時:8月25日(土)13:00-15:00 場所:AITルーム(代官山)
<助成>
・日本財団 ※本講座では、奨学金制度を設け、社会的養護出身等の若者の受講料を免除し、本講座以外のMADも受講できる(一部除く)サポートを行っています。
・オランダ王国大使館 ※実践①②の招聘サポートを受けています。
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エスター・フォセン(フィフス・シーズン ディレクター/ビューティフル・ディストレス・アート・マニフェステーション キュレーター)フィフス・シーズン ディレクター/キュレーター。オランダ、コーポレートアート協会(VBCN)の理事およびモンドリアン財団の委員を務める。ジャーナリズムを学び、オランダ国立放送(VPRO)の番組制作者として働いた後、アート・アカデミーとアムステルダム大学で美術史を学ぶ。 1998年以来、アペル・アーツ・センター、オランダ国立博物館の精神医学部門、ドルハウス美術館などの美術機関においてプロジェクトマネージャーおよびキュレーターとして働く。http://www.vijfde-seizoen.nl/en/
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ウィルコ・タウネブライヤー(ビューティフル・ディストレス設立者&理事長/精神科医)1961年オランダ生まれ。アムステルダム市公共健康局メンタルヘルス部にて医療長として従事する。精神科医として勤務するなか、精神医療と文化が出合い、互いの領域を交差させるプロジェクトに関わってきた。執筆活動のほか、医療とアートの両分野の大学で教鞭を執る。ビューティフル・ディストレスは、精神障害を持つ人々のことがより広く理解される社会の実現を目指し、アートを通じて精神医療と社会の間にある分断や、その隙間を埋めることをコンセプトに立ち上げられた。