dear Meでは、ケアの視点からアートを考え、さまざまな実践や対話を重ねています。日常でのマスク姿が当たり前となったいま、大人だけでなく、子どもたちの心と身体にどのような変化が起きているのでしょうか。
日々、人々のメンタルヘルスを診ている精神科医であり、ファシリテーターとして初期からプロジェクトを眺めてきたローツェさんによる、「コロナ禍とアート」をテーマにしたミニコラムを公開しました。
5/14(土)に、認定NPO法人キッズドアさんとdear Meプロジェクトとのコラボレーションで、サウンドワークショップ「見えない世界を聴いてみよう| Listen to the world invisible」を開催しました。
ゲストは、音をテーマに作品をつくる、アーティストの上村洋一さん。北海道・知床や、北欧の国などを訪れ、流氷の音や自然の音をリサーチしたり、フィールドレコーディングをしながら、制作をしています。
当日は、さまざまな国にルーツを持つ、小学3年生から高校1年生の15人の子どもたちが参加してくれました。
ワークショップでは、やさしいにほんごで、子どもたちにわかるように、アートの思考の自由さや、アーティストの考えを紹介しました。流氷のできる仕組みや、環境についてクイズを交えて紹介したあと、いよいよ音集めと実験の時間!
今回、ローランド株式会社の協力により、一人ずつバイノーラルマイクとレコーダーを手に公園に行き、水の音や、砂を触る音、遊具や木に触れる音など、それぞれ思い思いに音を集める姿が印象的でした。
バイノーラルマイクは、イヤホンとマイクが一体型になっているローランドさんの特別な機械。自分の周辺の360°の音が立体的に聴こえて、その音を聴きながら録音することができます。葉っぱの揺れるささやかな音が、大きく聴こえてきたり、普段とは違う音の体験が広がります。
公園から戻ったら、鍋に入れたドライアイスに子どもたちが炭酸水を注ぎ、変化する不思議な音を水中マイクを通して聴いたり、上村さんのリサーチ先で録音された流氷の音や、海外の原住民の唄などを聴いて、感想を共有しました。
軋む氷の音に、「なんか、動物の鳴き声みたい」
「ぞうみたい!」「きつね?」
色々な声が上がりました。
公園で録音した子どもたちの音源は、希望した数名の子がみんなに音を聴かせてくれました。そして、それぞれ工夫したことや、発見したことを教えてくれました。
いつも子どもたちに寄り添うキッズドアのスタッフからは、「勉強」というモードではない、自由な雰囲気の中で一緒に時間を分かち合えたことで、子どもたちの可能性が引き出されていた、というコメントもありました。
AITでは今後も、アーティストや企業、子どもの専門家との協働を通して、子どもや大人がアートの表現を通して新たな学びや表現を発見する場を創出していきます。
当日のワークショップの様子や、子どもたちの音や声を集めたミニレポートは、追って公開予定です。どうぞお楽しみに!
主催:NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]
企画:dear Me
協力:認定NPO法人キッズドア
助成:キリン福祉財団「キリン・地域のちから応援事業」
寄付:資生堂花椿基金カメリアファンド
機材協力:ローランド株式会社
Photo by Yukiko Koshima
1/29(土) のオンライン・トーク「さまざまな子どもたちと、アートの教えない学び」にdear Meがゲスト参加します。(参加無料、要申し込み)
児童養護施設二葉むさしが丘学園(東京都小平市)が主催する、地域にひらいた学びと交流の場「オープンカフェふたば」は、毎回多彩なゲストを迎え、分野を超えてさまざまな視点から社会を見つめ、参加者との意見交換や交流を生み出しています。
1月29日(土)の「オープンカフェふたば」では、アートの考えや表現をつうじて、子どもたちが社会とのつながりや世界のひろがりを実感できる機会をつくるNPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]dear Meの実践をご紹介します。
社会課題や困難な状況に、アートや表現はどのような変化をもたらす可能性があるのでしょうか。アートや実験的な教育をめぐる国内外の事例や子どもとケアの歴史を参照しながら、これまでdear Meプロジェクトで行ってきた活動を振り返ります。
後半は、二葉むさしが丘学園の職員とともに、実際のワークショップでの現場の生の声や子どもたちの変化、様子についてもご紹介します。お誘い合わせの上、みなさんのご参加をお待ちしています。
日時|2022年1月29日(土)14:00 – 16:00
*コロナウイルス感染症拡大の影響により、延期となりました。予約いただいた方々にはむさしが丘学園より、個別にご連絡させていただきます。
会場|オンライン(Zoom)(+会場参加枠あり)
参加費|無料
スピーカー|堀内奈穂子(AIT dear Meディレクター)、藤井理花(AIT)
お申し込み・お問い合わせはこちら(担当:二葉むさしが丘学園 竹村)|
dear Meのインタビューシリーズ「こどものわたしとおとなのわたし」の連載が始まりました!
アーティストや表現者ほかいろいろな分野で活動する大人たちに、子どもの頃のエピソードを聞く企画。社会とどう折り合いをつけてきたか、どう今の職業を選んだか、また、一人の大人としてこれから子どもたちとどう関わっていきたいかをご紹介し、自分なりの社会との関わりかたのヒントを探ります。
インタビュー第一弾は、作家・小林エリカさん。色とりどりな子どもがいるように、社会を支える大人の生き方も在り方もさまざまです。小林エリカさんが振り返る、子ども時代のこと、そして未来のために、いま大人となった彼女が考えていることについてお聞きしました。
記事はこちら
子どもたちが室内でもできるユニークなアート遊び「dear Me ART ROOM |みんなでつくる、アートルーム」のページをオープンしました。
小・中学校等の休校や自由な外出が制限される中、状況は少しずつ緩和されてきたようにも見えますが、まだまだ不安定な日々が続いています。
dear Meではこれまでにプログラムに関わった国内外のアーティストやデザイナーの協力を得て、不思議な絵本や身近な素材でつくれる作品のアイディアを公開しました。そのほか、スタッフがセレクトした国内外のさまざまな美術館やオンライン上のアートあそびサイトなどいろんな遊びのヒントも紹介しています。
ささやかなものからじっくりと頭と手を動かしてつくるものまで、思い思いに部屋で過ごす時間を子どもも大人も一緒に楽しんでみませんか?
アートあそびのアイディアは、今後も随時更新していきます、どうぞお楽しみに!
▷dear Me ART ROOM |みんなでつくる、アートルーム